神奈川県葉山町が独自「クリーン計画」 プラごみ削減へ 世界のモデルに

ペットボトル飲料の販売がない自販機=葉山町
ペットボトル飲料の販売がない自販機=葉山町

 神奈川県が掲げる「かながわプラごみゼロ宣言」を具体的に実践する取り組みが同県葉山町で行われている。9月に町は独自の行動項目「はやまクリーンプログラム」を宣言し、町が設置管理する自動販売機からペットボトル飲料を撤去したり、民間企業と協定を結んで町にウオーターサーバーを設置したりするなど、プラごみの削減を目指したさまざまな施策に取り組み始めている。山梨崇仁町長は「葉山町が世界のモデルになれば」と意気込んでいる。

 町役場近くの「福祉文化会館」に設置された3台の自販機は、よく見るとペットボトル飲料が一切、販売されていない。以前は取り扱いがあったが、全て缶飲料に切り替えられた。

 ■マイボトル普及

 そうした自販機が町内に全16台。10月から町が設置管理する公共施設の売店・自販機の約8割で、ペットボトル飲料の販売を取りやめたという。そのうちの1台の、同会館に設置された自販機を利用した団体職員の山下淳さん(55)=鎌倉市=は「町が先陣を切って取り組んでいるのはいいことだ」と語った。

 ペットボトルを自販機からなくす代わりに、町が用意したのがウオーターサーバーだ。町役場庁舎や保健センター、葉山しおさい公園など、町内の公共施設7カ所に設置。マイボトルを持参すれば、だれでも無料で水を入れることができる。出先でのペットボトルの購入を減らし、マイボトルの普及を促すのが狙いだ。

 設置したウオーターサーバーは、さいたま市の企業「ウォータースタンド」が提供している。町が協定を締結し、10月から一定期間の無償の貸し出しを受けている。

 ■さらなる展開も

 サーバーの最大の特徴は、水のタンクを交換せずに利用できる点だ。内部で水道水を濾過(ろか)するため、多くのウオーターサーバーで見られるように、タンクを交換する必要がない。タンク自体のプラごみも出ないという利点もある。

 同社が自治体と協定を結ぶのは、さいたま市に続いて2件目で、「かながわプラごみゼロ宣言」に関する協定としては県内初だという。

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