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わが町こそ、日本のど真ん中にある-。町名を「ど真ん中町」に改称した長野県辰野町では来春にも、そうした地理的特性のPR効果を一段と高めるため、新たな試みに乗り出す。企業や団体などからど真ん中事業のアイデアを募り、息の長い支援をするという。すでに、ど真ん中グッズの製作・販売に向けた動きも進んでいる。「ど真ん中プライド」の真価が問われるのはこれからだ。(松本浩史)
「中心の中心」
町によると、北緯36度00分00秒、東経138度00分00秒の交点、いわゆるゼロポイントが、町内の大城山(おおじょうやま)山頂(1028メートル)の北方約1キロの地点にある。
米国の地図会社がここを日本の地理的中心と記載したことなどから、町は平成23年、「日本の地理的中心」と書かれた高さ2メートルの標柱を建設。しかし、観光客からの問い合わせがある程度で、「静かな話題」だったという。
ど真ん中プライドに火がついたのは、昨年9月に放送されたNHKの情報バラエティー「チコちゃんに叱られる!」の放送。
「わがまちこそ日本の中心」と主張している自治体が番組調べで28あり、その各地点の経緯度の平均を算出したところ、「すごい偶然にも」(辰野町役場)北緯35度59分56秒、東経137度59分56秒と、同町が主張するポイントのごく近くだった。
これで「中心の本家」としての自尊心がくすぐられ、番組終了の1カ月後に武居保男町長が「ど真ん中町」に町名を改める考えを記者会見で発表した。正式には辰野町のままだが、「日本の中心の中心」を合言葉に、その後、さまざまなプロジェクトを計画・展開してきた。