浪速風

ドーピングは「人造人間」をつくる

東京五輪・パラリンピックからロシアが除外される可能性が高まっている。ロシア反ドーピング機関から回収された検査データに、大量の改竄(かいざん)が認められたためだ。国ぐるみの不正が発覚し、2016年リオ大会などで処分を受けながら、懲りていなかった

▶そもそも、なぜドーピングは禁止なのか。選手の体に悪影響を及ぼす、競技の公平性が損なわれる-などの理由が挙げられるが、哲学者の川谷茂樹さんは『スポーツ倫理学講義』(ナカニシヤ出版)で「スポーツは人間同士の競争です。ドーピングは、この『人間』というスポーツの規定に抵触するのではないでしょうか」と記している 

▶ドーピングをすると、人間ではなくなるという考え方。行き着く先は、速くて当たり前、強くて当たり前な人造人間たちによる競い合いだ。それは、もはやスポーツではない。川谷さんは「ドーピングがスポーツを滅ぼす日が訪れるかもしれません」と警鐘を鳴らしている。