■市が開放特許を紹介
末広庵を運営する「スエヒロ」の三藤哲也社長(64)は「餅のやわらかさを維持する技術を駆使して、森永製菓の特許に恥じない商品を作ることができた。体脂肪を気にしないでいい健康的なスイーツとして広めていきたい」と胸を張った。
10月に販売を開始し、1個160円。6個入りセットは1千円(いずれも税込み)。川崎市、横浜市、東京都内の末広庵本支店計7店舗のほか、インターネットでも売り出している。初年の売り上げは10万個を目標にしているという。
市ではこうした大企業の持つ開放特許を市内の企業に紹介することで、商品開発や経営を後押しする「知財マッチング」の事業(知的財産交流事業)を平成19年度から始めている。これまでには、日産自動車の特許を活用した工場ライン小型化や、富士通の特許を使ったせっけん開発など、主に工業分野で製品化の実績がある。
今回の大福餅は24件目の製品化となり、食品分野では初めてという。市イノベーション推進室の担当者は「ヒット商品も数多く出ている。今後は食品分野でもどんどん、マッチングを進めていきたい」と意気込んでいる。