朝晴れエッセー

頭の上にいる友よ・11月25日

紅葉がきれいな秋。落ち葉もちらほら見られるようになってきた。最近気になっているのは、頭の上の方からはらはらと落ちることもある髪のことだ。私の祖父も父も、頭がとても寂しかった。中学生だった私は、

「これが私の将来だ。髪を大切にしよう」と強く心に誓った。年頃である高校生や大学生になっても、整髪料は無しか少なめ、頭にストレスを極力かけまい、と毎日やさしく丁寧に洗ってきた。

昨年、ある講演会に出席した際に、主催者のホームページに掲載された聴講風景の写真を見て驚いた。私の後ろ姿であることには間違いはないが、その頭は真っ黒ではなく、少々肌色が透けて見えているのだ。とうとう来たか。

それから1年。今度は、お気に入りの前髪から、おでこが透けて見えるようになってきた。髪も細くなり、どことなく元気がない。ここまでか。

母によると、父は30代で頭が寂しくなっていたそうだ。私の髪がこの年齢までがんばってこられたのは、中学時代に抱いた志を、いままで実践してきたからだったのではないだろうか。ふと、最近よく耳にする「グレーヘア」という言葉を思い出した。白髪を染めずに、ありのままの髪で、美しく自分らしく生きるということらしい。

通勤電車の中では、つい自然と周りの男性の髪に目がいってしまう。自分より頭が寂しい人もいるが、そんなにかっこ悪く見えないじゃないか。むしろ、親しみやすさも感じる。なんだ、自分もそうなっていくだけなのか。

頭の上の友よ、ありがとう。そして、これからもよろしく。

園田 巖(いわお) 45 会社員 東京都練馬区