朝晴れエッセー

年賀状・11月22日

頂くとうれしいが、準備が面倒な年賀状の時期になった。

先日、短大時代からの友から届いた一通のはがき。彼女も私と同様に転勤族。ご主人の退職を機に娘さんの住む東京を終(つい)の棲家(すみか)に選んだという。そんなことを考える年になったのかぁ…。ふと、最後の一行に釘(くぎ)付け。

「毎年の年賀状を今後控えさせて頂きます」

丁寧な文字に昔と変わらぬ彼女の真摯(しんし)さを感じ、それゆえに40年交流のあった友の英断に一抹の寂しさを覚えた。と同時に彼女の近況が気になっている。

昨年、一人の先輩の近況を知る機会になったのも一枚の年賀状だった。

余命宣告を受けながらも、ご主人に支えられ、前向きに力強く生きぬいた先輩とは1年間文通ができた。

四季折々の絵はがきを送ると、「元気が出て来るわ」「私は大丈夫よ」と返信が…。病魔と闘う先輩を励ましていたつもりの私が、毎日を大切に生きている先輩から元気を頂いていたのだった。

4回の転勤。7回の転居。日本各地に友人ができ、新天地で得た友人は私の宝物。子育て時代は悩み相談の文通に励まされ、今は、年賀状のみでつながっている友人たち。

今後、会える機会が得られない友もいる。年に一度のご機嫌うかがいの色濃い年賀状になりつつあるが、それでも私は年賀状に向かい書くつもりだ。

「お変わりありませんか?」

「お会いしたいですね。いつか…」と。

大槻 高子 63 神戸市東灘区