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学校でライフル組み立て…進む軍国化教育 

愛国精神を育むとの名の下に、ロシア政府が幼少期から青年期の子供たちに対する軍国主義的な教育政策を強化している。露教育省は10月、学校現場に対し、児童・生徒にライフル銃の分解や組立を体験させるよう勧奨。ある学校では児童に反テロをテーマとした絵画を描く課題が出された。国防省も子供を愛国教育プログラムで組織化する活動を進めている。こうした動きに対し、露メディアは「文化ではなく軍事を通した愛国教育は子供の成長に悪影響を及ぼしかねない」と警鐘を鳴らしている。

(モスクワ 小野田雄一)

複数の露メディアは10月末、ライフル銃「AK47」の開発者で、11月10日が生誕100周年となるカラシニコフ氏を記念するためとして、露教育省が各地の小中高校に対し、カラシニコフ氏の伝記やAK47の組立・分解などを体験させるよう勧奨したと報じた。

勧奨文書によると、カラシニコフ氏やAK47を学ばせる目的は「ロシア人の国民的自己認識の基礎としての精神的・道徳的な愛国主義の形成」「児童における国民的・市民的・文化的アイデンティティーの陶冶(とうや)」だという。

どの程度の数の学校で実際にカラシニコフ氏に関する教育が実施されたのかは不明だが、教育省の勧奨は実質的には命令に近い性質があるとされるため、かなりの数の児童が銃の組立などを体験したとみられている。

一方、シベリア西部の都市チュメニの学校では10月下旬、絵画コンクールを開くためとして、教師が小学2年生のクラスに「反テロ」をテーマにした絵を描いて提出するよう命じた。地元メディアによると、保護者らは「小学2年生にテロの概念は理解できない」などと困惑しているという。

露国家反テロ委員会は昨年5月、児童らによる反テロをテーマとした絵画コンクールを極東沿海地方の自治体と共催しており、チュメニの絵画コンクールもこうした文脈の中で企画されたとみられる。

同委員会のサイトに掲載されているコンクールに出展された絵画は、子供特有の筆運びで描かれた人物像の横に、刃物や銃、爆発物が描かれているものが多く、アンバランスな印象を受けざるを得ない。

国防分野でも、軍事的な愛国教育が加速している。