【社説検証】英語民間試験見送り 産経「会話力重視の再考を」(2/2ページ) - 産経ニュース

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社説検証

英語民間試験見送り 産経「会話力重視の再考を」

 産経などの提言通り、民間試験の来年度からの実施は見送られた。発表があったのは11月1日で、本来ならこの日、民間試験利用に必要な受験生の共通IDの発行申し込みが始まるはずだった。土壇場での方針転換であり、遅すぎた決定を各紙は一斉に批判した。「試験に向けて努力を積み重ねてきた高校生の間には、困惑が広がっている。試験開始まで5か月を切っての延期は、失態と批判されても仕方がない」(読売)などだ。東京は「一度決めたことは後戻りできないという官僚体質が透けて見える。民間試験導入を推進した文科相経験者など『身内』への配慮が優先し、思考停止に陥っていた側面がなかったか」と文科省に猛省を促した。

 文科省は今後、民間試験活用の是非も含め、制度を抜本的に見直すという。朝日は「共通テストの一環として話す力を試す必要が本当にあるのか」と問いかけ、「会話の力がどこまで必要かは大学や学部によって違う。選抜方法は各校の創意に委ね、国はその後押しを通じて全体の底上げを図るべきではないか」と説いた。産経は「そもそも、文科省が目指す英語教育の方向性にも疑問がある」とし、「英語は使う環境や目的がなければ身につかないと多くの専門家が指摘する。中学、高校時代は基本的な英文法などの土台を固める必要がある」と会話重視の姿勢に再考を求めた。

 制度を抜本的に見直すといっても簡単なことではあるまい。だからこそ、民間試験導入の試みも惨憺(さんたん)たる結果になった。制度改革にあたっては少なくとも、受験生が翻弄されることのないよう最大限の配慮が必要だ。(内畠嗣雅)

 ■英語民間試験見送りをめぐる主な社説

【産経】

 ・受験生本位で制度見直せ(10月31日付)

 ・英語政策全体の見直しを(11月2日付)

【朝日】

 ・身の丈発言が示すもの(10月30日付)

 ・入試の見直し根底から(11月2日付)

【毎日】

 ・「本音」が不信増幅させた(10月30日付)

 ・遅すぎた判断の罪は重い(11月2日付)

【読売】

 ・受験生を翻弄した責任は重い(11月2日付)

【日経】

 ・英語新入試の不備を直視せよ(10月31日付)

 ・英語試験延期が問う行政の失態(11月2日付)

【東京】

 ・制度の欠陥認め見直せ(10月30日付)

 ・混乱招いた責任は重い(11月2日付)