浪速風

泉下のカリスマも目を細めるバトンタッチ

とにかく突然だった。平成26年、クボタ会長兼社長だった益本康男氏が出張先の東京で致死性不整脈のため急逝した。まだ67歳のカリスマは会社を成長路線に乗せたところだった。現場を回り、「若い人が失敗しても会社はつぶれない。挑戦してほしい」「若い人は少々生意気でいい。人と違った方法で人より上を目指せ」と励ます熱血漢だった

▶トップ不在の緊急事態に社長に就いた木股昌俊氏は代表権のある副社長になって2カ月あまりだったが、「動揺を抑えるため2番手の私が逃げるわけにはいかなかった」。益本氏とは生産現場で労苦を共にし会社が進むべき道や将来の夢は共有しており、「思いは一緒」とグローバル化を進めた 

▶「常に後継者を誰にするかは頭にあった」。今月7日、後任社長に北尾裕一副社長の昇格を発表した木股氏の言葉だ。来年の創業130年を前に経営のバトンを引き継ぐ姿に泉下のカリスマも目を細めているに違いない。