安倍晋三首相は8日の閣議で、台風など大規模災害への対策や景気底上げのための経済対策をまとめるよう指示した。令和元年度補正予算と2年度当初予算を一体的に編成する「15カ月予算」を組み、必要な経費を手当てする。政府・与党内では対策総額について国費で5兆円を上回る規模が必要との見方も出ている。
経済対策の策定は平成28年8月以来、3年ぶり。首相は閣議で「復旧復興の取り組みを加速し、海外発のリスクへの対応、生産性の向上などのため、経済対策を策定する」と述べた。菅義偉(すが・よしひで)官房長官が明らかにした。
また、西村康稔経済再生担当相は8日の記者会見で、経済対策を「災害からの復旧・復興」「経済下振れリスクの克服支援」「東京五輪後を見据えた景気失速回避」の3本柱とすることを説明した。
具体的には、台風19号による被害の復旧・復興や、新たに浮き彫りになった課題などに関し、防災機能の強化に向けたインフラ整備を全国規模で進める。
消費税増税にあわせて導入したキャッシュレス決済に対するポイント還元策を拡充し、予算を追加投入するほか、日米貿易協定の最終合意を受けた国内農業の支援策も盛り込む。
また、政府は8日の閣議で、台風15号や19号など一連の豪雨や暴風の被災者の生活や事業再建に向けた対策パッケージの費用として、令和元年度予算の予備費から1316億円を支出することも決定した。