首里城火災、鎮火まで11時間を要した「複合的要因」

 火の手を早めた要因の一つに、出火元とされる正殿に使われた沖縄独自の琉球塗装も指摘されている。首里城の復元事業に携わった沖縄県立博物館・美術館の田名(だな)真之館長によると、正殿には琉球王国の文化を象徴する鮮やかな朱色の塗装が施されていた。この塗装は、アブラギリの種から採取した「桐油(とうゆ)」に顔料を混ぜたもの。田名館長は「桐油を含んでいる分、高温になりやすく火の勢いが増したのだと思う」と話す。

 消防などは1日、約100人態勢で首里城の防火設備が作動していたのかなどを実況見分で調査。首里城の建物は文化財に指定されておらず、消防法に基づくスプリンクラーの設置義務はない。正殿には建物外側に水の膜をつくり、外からの延焼を防ぐ「ドレンチャー」が付いており、正常に作動していた。

 日本防火技術者協会(東京)の鈴木弘昭理事は「建物が密集し、スプリンクラーが付いていなかったことなど、複合的な要因が重なり、鎮火まで長い時間を要したのでは。建物間に防火シャッターを整備するなど延焼を食い止める仕組みが必要だった」と話した。

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