3年前からネット上で「流産しろ」「自宅を放火する」などと中傷を受けるようになったアイドルグループAKB48の元メンバーが10月、プロバイダ責任制限法に基づく「発信者情報開示請求」に踏み切り、投稿者を特定できたと明かした。今後、刑事と民事で責任を追及するという。ネットでの心ない誹謗(ひぼう)中傷はもはや有名人だけの問題ではない。どのように特定できるのか、賠償額はどの程度が目安なのか。匿名を隠れ蓑(みの)にした攻撃の代償は、想像以上に大きい。
「人としてひどすぎる」
《今まで誹謗中傷やプライバシー侵害をしてきた人たちの名前と住所が全て開示されました》。10月、AKB48の元メンバーでタレントの川崎希(のぞみ)さん(32)は、ブログでこう報告した。
川崎さんはAKB48の第1期メンバー。平成21(2009)年に卒業後、実業家などとしても才能を発揮しているが、3年ほど前からネット上の中傷や罵詈(ばり)雑言に悩まされるようになったという。
ブログによると、ある匿名掲示板では、無銭飲食をしたと記されたり、海外滞在中に「(自宅に)放火するチャンス」などと書き込まれたりした。嫌がらせは多数に上り、《こわい思いもたくさんあった》と振りかえる。