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究極の節約でアーリーリタイア 米の若者がめざす真の働き方改革とは

 まず「Fat(豊かな) FIRE」は、平均的なリタイア後の投資家たちよりも貯蓄に励む人。「Lean(やせ細った) FIRE」は、最小限の生活と極端な貯蓄というルールを厳守するなど、猛烈に制限された生活を実践する人。

 そして「Barista(バリスタ) FIRE」は、これまでの9時から5時までの仕事は辞めたものの、減っていく退職金をカバーするため、カフェのバリスタのように、パートタイムの仕事をする人。「Coast(順調な) FIRE」は、現在の生活費と退職後の生活を賄うのに十分な貯蓄を持っている人を指します。

 では、一体どういう人が「FIRE」を実践しているのか?。ここまで読んだみなさんはおそらく「給料の安い連中がピーピー言うて貯金しとるだけやろ。高給取りは遊びにもいっぱい金使って、余裕のはずや」と思ったのではないでしょうか。ところがそうではないのです。

■年収3000万円なのに靴は中古2000円! 食事も自炊

 前述のニューヨーク・ポストやビジネスインサイダーが紹介しているダニエルさん(36)は、有名なロースクールを卒業し、ニューヨークで企業内弁護士を務めています。年収は27万ドル、日本円にして約2900万円。普通なら、ぜいたくな暮らしを満喫し、たいていの物欲は満たされるはずです。

 ところが彼は、ぜいたくな暮らしの正反対である「FIRE」のセオリーを熱心に実践。年収の70%をせっせと貯蓄に回しています。さらに、高額の税金を納めたくないので、ニューヨーク市ではなく、その隣のニュージャージー州ハドソンの質素なアパート暮らし。テレビはありません。仕事に着ていくスーツは安物が5着だけ。

 仕事用の靴はリサイクルショップで購入した中古で、1番高価なものでも1組60ドル(約6500円)、他は大体20ドル(約2100円)。食事は自炊で米と豆を鍋で炊くそうです。電気代を節約するため、冬になっても暖房は付けません。プライバシー上の理由でラストネーム(名字)を明かさなかったダニエルさんはニューヨーク・ポストにこう言いました。「冬は重ね着で耐えますよ」

 ダニエルさんは毎年、給与の70%を順調に貯蓄に回すと同時に、19歳の時から、退職後の老後資金の積み立てを目的に、個人が開設できる税制優遇付きの口座「個人退職勘定(IRA)」でもコツコツ資産形成につとめています。

 その結果、現在の貯蓄額は、36歳にして約40万ドル、日本円にして約4300万円。3年後のアーリーリタイアをめざし、きょうもせっせと節約に励むダニエルさんはニューヨーク・ポスト紙に「エキサイティングだよ。自分がやっていることが、自分自身に力を与えてくれるんだ」と誇らしげに話しました。

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