神戸の教諭いじめ 職員室や児童の面前でも堂々と…背景に管理職の甘い認識

 ■管理職の認識甘く

 いじめの長期化を招いた背景には、校長ら管理職の認識の甘さと対応の遅さが指摘されている。

 昨年度から加害教諭らの行為を見かねた複数の教員が前校長に相談していたにも関わらず、前校長は加害教諭に対して具体的な指導を怠り、市教委にも報告していなかった。さらに被害教諭に「(加害教諭に)お世話になっとるやんな」と念を押し、いじめの相談に取り合っていなかったこともわかった。

 今年4月に就任した仁王美貴校長(55)も7月、被害教諭との面談で状況を把握したにも関わらず、加害教諭4人への口頭注意のみにとどめていた。仁王校長は9日の会見で、「赴任当初から加害教諭は職員室の中で悪い言葉遣いや高圧的な態度が見られた」としつつも、「悪質ないじめが行われているとは気がつかなかった」と釈明。被害教諭のSOSが届くことはなかった。

 ■変わらぬ隠蔽体質

 「不祥事が二度と起きないよう組織風土と学校現場を抜本的に改革する」。18日に開かれた調査委の初会合で長田淳教育長はこう強調したが、市民の間では不信感が拭えない。

 平成28年10月、神戸市立中3年の女子生徒=当時(14)=が自殺した際には、市教委が当時の校長にいじめの内容を記した調査メモの隠蔽(いんぺい)を指示していた問題が発覚。今回も、市教委が具体的な聞き取りや対策を講じなかったことに批判があがっている。

 また、「神戸方式」と呼ばれる独自の教員の人事異動方式が問題の一端になったとの指摘もある。勤務校と異動先の校長が協議して異動案を決め、市教委が追認する方式だ。「校長の権限が強くなる」とされ、教育現場の隠蔽体質を助長していると声も出ている。

 問題の背景を、近畿大教職教育部の丸岡俊之教授は「保護者の厳しい目や評価を気にして学校現場だけで抑えようと問題を矮小(わいしょう)化する傾向がある」と説明。その上で、「現場の教員が市教委に直接被害を訴えるのは難しいケースもある。外部にも複数の相談窓口を設け、周知を徹底するなど二重三重の救済システムが必要」と強調している。

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