分譲マンションの購入者(区分所有者)は「管理組合」への加入が義務付けられているが、購入して初めて、その存在を知る人も多いだろう。知識のないまま理事長の役が回ってきたり、大規模修繕工事の時期に突入したり。そんな困ったときにサポートしてくれるのが「大阪市マンション管理支援機構」だ。行政が呼びかけて専門家らと連携・協力する全国初の組織として、20年近く活動を続けてきたという。不安をどう解消してくれるのか。
■模擬総会で実演
「修繕積立金の値上げの可能性は?」「積立金を全部使ってしまうの?」
先月、大阪市北区の市立住まい情報センターで開かれたイベント「マンション管理フェスタ」。4時間で約200人が訪れる盛況ぶりで、大規模修繕工事を題材にした模擬総会が注目を集めていた。
理事長が開会宣言し、前年度の事業収支・決算報告をした上で、大規模修繕工事に関する議題を審議して採決。新役員を選任し、閉会するまでを実演した。
都島区の60代女性は「流れが分かってよかったけど、言葉が専門的すぎて…。今期初めて理事長になるので、これから勉強しなくては」と話した。
ほかにも専門家とのおしゃべりコーナーや講演会、実例の紹介などがあり、城東区の70代男性は「各分野の専門家がそろっているので、必要な情報が得られて助かります」と満足した様子だった。
■組合加入は義務
このフェスタを主催したのが、大阪市マンション管理支援機構。
市が平成12年、全国に先駆けて設立した。市住まい公社や大阪弁護士会、大阪土地家屋調査士会など13団体と連携し、市内にあるすべての分譲マンションの管理組合を対象にサポート。約3分の1にあたる1300以上が登録している。
市住まい公社の中野直樹企画部長は「本来は民間で解決すべきことだが、ここまでマンションの数が増えると、最終的に行政が面倒をみなければならないケースも出てくる」と話す。