話の肖像画

映画監督・是枝裕和(57)(9)ドキュメンタリーで評価

そして、その番組を見た中学時代のあの友人が、「おまえ、普段から何を考えているのかさっぱり分からないけど、おまえが作った番組をみると、おまえと話しているよりも、おまえがどういう人間かが分かる」と言われました。「ああ、僕はそういう人間なのかもしれない」と気付きましたね。ちょっと寂しかったですけど。

〈今も基本的に脚本から編集まですべてを自分でやるスタイルを踏襲している〉

その福祉のドキュメンタリーを作るときは、周りに支えてくれる人がいなかったので、やむを得ず自分で全部やりました。だからそれが癖になっているだけの話です。今はプロデュースは基本的には自分よりも優秀な人に任せていますし、ただ脚本を書いて、演出して、編集も自分でやるというスタイルは、テレビマンユニオン時代の物の作り方を踏襲していて、それが自然なのでやっているという感じです。(聞き手 水沼啓子)

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