米CNNテレビ(電子版)は同27日、トゥンベリさんの国連演説を「忘れられないメッセージ」と評価する記事を掲載。温暖化対策への関心が低かった米世論に変化がみられたとして、「(2000年以降に成人した)ミレニアル世代だけでなく、大統領選の候補者が議論すべき争点となった」と影響力の大きさを認めた。
称賛だけでなく、米国の一部メディアでは「危機を誇張しすぎだ」などと批判や中傷も起こった。
これに対し、米紙ボルティモア・サン(電子版)は同25日の社説で、2018年2月の南部フロリダ州の銃乱射事件を受けて広まった高校生による銃規制運動と同様だとし、「ヒステリックだと10代の訴えを取り合わない大人もいるが、大半は耳を傾け同意している」と指摘。「気候変動は重大で複雑な脅威」としてトゥンベリさんの主張に賛同した。
一方、抗議活動の過激化を危惧する声も出ている。米通信社ブルームバーグ(電子版)は10月9日の記事で、トゥンベリさんが支持する英国の環境保護団体「Extinction Rebellion(絶滅への反逆)」が道路封鎖などを強行し、逮捕者が続出していることを懸念。環境活動家としてトゥンベリさんは「科学的な合意に基づいて注意深く発言してきた」ことで広い層に訴えが支持されてきたと分析し、「過激な団体」と距離を置くことが今後の活動で必要だと説いた。
(ニューヨーク 上塚真由)
◇
□フランス
■「新たな宗教」的存在に嘆き
フランスでは国連の「気候行動サミット」に合わせ、グレタ・トゥンベリさんが15人の仲間とともに、十分な地球温暖化対策を取らず子供の将来を脅かしている5カ国の1つとして、フランスを挙げたことで論争に火が付いた。