両陛下「心込めて」ご準備 宮内庁、いよいよ当日

 「即位礼正殿の儀」に向け、宮内庁は儀式に使われる調度品の修復など、1年以上前から準備を進めてきた。直前まで公務など多忙な日程が入っていた天皇、皇后両陛下は、それでも時間を見つけて職員との打ち合わせやリハーサルを重ねており、側近は「お忙しい中、心を込めて準備にあたられている」と話していた。いよいよ22日当日の儀式に臨まれる。

 宮内庁が昨年9月、天皇陛下がお言葉を述べられる舞台となる「高御座(たかみくら)」と、皇后さまが昇られる「御帳台(みちょうだい)」を、保管先の京都御所から皇居に運び込み、修復作業を実施。先月末、宮殿「松の間」で組み立てを完了させた。高御座の天蓋(てんがい)の裏側には照明やマイクも据え付けられ、陛下のご宣明の時を待つばかりだ。

 両陛下は儀式を目前に控えた先月にも、全国豊かな海づくり大会(秋田)、国民文化祭(新潟)、国民体育大会(茨城)の3つの地方公務に臨まれた。今月も、海外日系人大会や更生保護制度施行70周年の記念式典などに臨席された。

 その一方で、陛下は儀式の数日前まで宮中祭祀(さいし)や執務と並行して、皇后さまとともに宮内庁職員との打ち合わせや、装束の着付けなどの準備を進められてきた。今月15日、松の間で行われた「習礼(しゅらい)」と呼ばれるリハーサルでは、両陛下は装束を着け、儀式の所作などについて細部まで確認されたという。ご習礼はこの日夜まで続き、18日にも行われた。

 当日の22日は、パレード「祝賀御列(おんれつ)の儀」こそ延期になったものの、正殿の儀の前後に皇居・宮中三殿で儀式を行うことを奉告する「即位礼当日賢所大前の儀」や、外国賓客を招いての祝宴「饗宴(きょうえん)の儀」なども控えている。側近は「早朝から深夜まで重要儀式、行事が続く。つつがなく済ませられるよう、全力でお支えしたい」と話している。

会員限定記事会員サービス詳細