台風19号 傾く住宅、土台削られ あきる野「雨が降ると不安」

 台風19号により氾濫を引き起こした多摩川の支流、あきる野市の秋川も氾濫した。同市牛沼では増水した濁流により土台が削られ、川沿いの住宅が傾くなどの被害が出た。17日になっても川沿いの一部住宅に規制線が張られ、市は危険な場合は避難所などへの移動を呼び掛けている。(吉沢智美)

 市などによると、同地区では高さ約5メートルほどの護岸があったが、濁流により擁壁が剥がされ土台の下部が削られたことで家が傾いたという。13日に秋川消防署が規制線を張り、住民らは近隣の避難所や親類の家などでそれぞれ避難生活を送った。

 規制線が張られた住宅に夫と住む会社員の女性(49)は「(12日)午後10時半ごろに雨は止んでいて、これなら大丈夫と寝た。そうしたら午後11時半ごろに今まで聞いたこともないような音が聞こえて飛び起きた」と当時の様子を振り返る。

 外の様子を見ると真っ暗だったが、川辺にあった隣家が傾いている様子が分かった。その後も崩壊する家屋につられ電線が引っ張られ、「『ミシッ』っていう大きな音が聞こえて、これはただ事ではないと思った」という。17日には雨が降り、「雨が降ると余計に不安」とこぼした。

 現在も川沿いの一部住宅には規制線が張られ、市は危険な場合は避難所などへの移動を呼び掛けている。市の担当者は「誰が何の根拠で(規制線を)外すのか。都の復旧作業が完全に終わらない限りは、安全だとの判断が非常に難しい」と説明する。

 都は17日から復旧作業を開始。護岸際に水が流れないよう掘削作業を行ったのち、重機を使い大型土嚢(どのう)を設置していくという。都の担当者は「一刻も早く準備したい」としているが先行きは見通せていない。