家電・IT展示会シーテック、「未来生活」に注目集まる

 大手電機メーカー以外でも、最新技術を活用して未来の社会をアピールする展示が相次ぐ。NTTドコモやKDDI(au)が第5世代(5G)移動通信システムの新技術を披露。KDDIはスマートフォンをかざすと扉の向こうに別世界が広がっているようにみえる技術を展示した。仮想現実(VR)の技術で、スマホに花畑や岩山、サッカー場などの風景を表示する。360度、どの方向にかざしても景色を楽しむことができ、扉を開けて瞬間移動するどこでもドアのような体験ができる。NTTドコモは8KのVR映像を生中継して視聴できるシステムを紹介した。

 日本交通グループのジャパンタクシーが出展するブースでは、タクシーのドライブレコーダーが録画した画像をビッグデータとして収集し、時間貸し駐車場や屋外広告の空き情報などをリアルタイムで把握するサービスを展示。実用化を目指すという。

 日本の家電業界は技術のコモディティー(汎用)化で、安い人件費で大量生産が可能な中国など新興国メーカーの席巻を許しており、シーテックでも家電はもはや主役ではなくなっている。今後もこの流れは止まりそうにない。(八倉陽平、高木克聡)

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