18日まで千葉市の幕張メッセで開かれている国内最大級の家電・IT展示会「CEATEC(シーテック)2019」は、従来の家電見本市から人工知能(AI)やモノのインターネット(IoT)なども含めた総合展示会への脱皮をさらに進めている。大手電機メーカーに限らず、通信会社など多彩な企業が社会課題を解決して「未来の暮らし」を描く展示に力を入れており、来場者の関心を集めている。
「おお、すごい」
白を基調にして会場内でもとりわけ目を引くソニーのブースで、3Dメガネを着用し、手術用の顕微鏡でヒトの頭部の模型内をのぞくと、高精細な4K画質の大型モニターには中に散らばる細かなビーズが立体的に映し出された。ビーズは3D画像を見ながらピンセットを使って簡単に取り出すことができた。脳外科など精密さが要求される手術で威力を発揮するのは間違いなさそうだ。
6年ぶりに出展したソニーは、オリンパスと合弁会社を設立して開発した手術用顕微鏡や細胞分析装置といった医療分野の製品を紹介。ソニーが医療関連の製品をまとめて展示するのは今回が初という。
富士通のブースでは、同社が開発した体操競技の自動採点支援システムを展示。独自の3Dセンシング技術を使ってAIが分析することで、審判員の目視での採点に抗議が出た場合、補助に活用する。今月ドイツのシュツットガルトで開催された体操の世界選手権では、男子のあん馬など4種目で導入された。
独自の技術を使い、来場者が腰にセンサーをつけて縄跳びをして消費カロリーや体幹バランスを測定することもできる。担当者は「アスリート向けの技術開発だけでなく、一般の方も幅広く体感できるような開発だ」と強調する。