30代後半女性の体力低下 家事に仕事に「運動に時間割けず」 30年度体力・運動能力調査

 30代後半の女性で体力的な年齢が実際の年齢より若い人の割合は26・8%で、ほかの年齢層や男性に比べ体力の低下傾向が顕著であることが、スポーツ庁が体育の日を前に公表した平成30年度体力・運動能力調査で分かった。平成に入ってからの30年間でみても、多くの年代で体力年齢の若い割合が増えているのに対し、35~39歳の女性は年々減少。運動不足傾向などが浮き彫りになった。

 調査は6~79歳の男女を対象に握力や上体起こしなど7~9項目の体力テストを実施。平成最後となった今回は、30~50代の後半における30年間の体力の推移などを検証した。

 それによると、体力年齢の若い割合は35~39歳の女性が最も少なく、現行の調査方式になった10年度の40・3%と比べても13・5ポイント減少した。調査方式が異なるため単純な比較はできないが、元年度の割合は80・0%に上っており、この年代の女性の体力低下傾向が際立っていた。

 一方、55~59歳の女性で体力年齢の若い割合は54・8%で、10年度(36・5%)より大幅に上昇。そのほか、45~49歳の女性は40・3%、男性も55~59歳が52・5%、45~49歳が39・6%、35~39歳が38・8%で、いずれも10年度より上昇した。

 30代後半の女性は運動離れも年々進んでいる。週1日以上の運動習慣がある35~39歳の女性の割合は、元年度には50%近くいたが、30年度は34・2%にとどまり、20代を加えた女性の各年代で最も低かった。

 調査に協力した順天堂大の内藤久士教授(運動生理学)は「この世代の女性は社会的な背景として、家事に加え、社会進出をして働きながらスポーツに割く時間をうまくつくれず、それが一つのマイナス要因になっているのかもしれない」と分析している。

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