ただ、制限を緩和したばかりではない。国内有数の温泉地、大分県別府市の112の宿泊施設で作る「別府市旅館ホテル組合連合会」は8月、W杯開催を前に、タトゥー入り外国人客の受け入れを断念した。今年3~6月に計約2千人の日本人客に行ったアンケートで、32%が拒否し、容認するのは12%にとどまったためだ。
残りの56%は、外国人客に「反社会的勢力ではなく、周囲を威圧しない」などの誓約書を書いてもらった上で-という条件付き入湯なら同意するというものだった。
今後も検討課題に
一方、自由記述欄には「日本人の入れ墨客は入れないでほしい」と書いた人もおり、外国人のタトゥーは認められても、同じ日本人の入れ墨には抵抗が強いことをうかがわせた。
「さんざん議論を重ねたが『これじゃあできないよね』という結論になった」と同連合会の堀精治・専務理事。昨年7月から1年1カ月にわたり議論を重ねてきた結果、受け入れ断念を決めた。
堀専務理事は「日本人の若い人のタトゥーも増えている。今回の見送りで終わりとするのではなく、受け入れは今後の検討課題として残していく」と話している。