自治体のシステム標準化、国主導で 経済財政諮問会議で提言

 政府は10日に開いた経済財政諮問会議で、行政のデジタル化促進に向けた検討を始めた。民間議員は、多くの地方自治体がシステム整備を個別で進めてきたことが新技術導入などを妨げていると指摘。自治体が担うさまざまな行政サービスのシステムの標準化も含め、国が主導して進めるよう提言した。

 民間議員は提出資料で、多くの自治体は個別でシステムを築いており、データの連携や人工知能(AI)のような新技術導入などを阻害していると指摘。システムの標準化も含め、自治体行政のデジタル化を抜本的に進めるよう求めた。

 諮問会議に対しては、規制改革推進会議など他の政策会議と連携し、行政のデジタル化加速に向けて制度やルールの見直しを進めるべきだとした。また、安倍晋三首相は「年内に取りまとめる改革工程表を新たなデジタル・ガバメント(電子政府)実行計画に反映してほしい」と指示した。

 一方、諮問会議は同日、年内の主な課題や取り組みを確認。消費税率の10%への引き上げ後も含め、「内外経済のリスク顕在化に備えた万全のマクロ経済財政運営を進める」とした。

 安倍首相は「下振れリスクが顕在化する場合には、躊躇(ちゅうちょ)することなく、機動的かつ万全の対策を講じ、経済の成長軌道を確かなものとしていく」と述べ、その場合は「限られた政策資源を有効に活用するため、ワイズスペンディング(賢明な支出)の考え方を重視する必要がある」とした。

 また民間議員は、消費税率引き上げに伴うキャッシュレス決済へのポイント還元策の終了後に実施する、マイナンバーカードを活用した消費活性化策について「講じる施策の内容・規模を早急に明確にし、経済下支えの効果を明らかにすべきだ」と具体化を求めた。

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