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今年の夏も暑かった。線状降水帯は滝のような雨を降らせ、大停電を起こした台風もやってきた。
多くの人が大気中に増えた二酸化炭素(CO2)のせいだと信じている。
確信の根拠は、国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が、そう説明しているからだろう。
IPCCは世界の科学者の協力を得て活動し、米国の政治家、アル・ゴア氏とともに2007年のノーベル平和賞を受けた国際機関。
実は今夏、IPCCとCO2温暖化説の根幹を揺るがす事態が起きていたのだが、日本ではほとんど知られていないのだ。
≪CO2説、傾く支柱≫
IPCCは数年ごとに地球温暖化に関する評価報告書を発表している。
2001年の第3次報告書には米ペンシルベニア州立大学のマイケル・マン教授が作成した過去千年間の北半球の気温変化を示すグラフが掲載された。
紀元1000年以降、ほぼ横ばいで推移した気温が1950年から一気に右肩上がりに転じたことを示すグラフだ(その形から「ホッケースティック曲線」と呼ばれる)。人類が大気中に増やしたCO2のせいで気温の急上昇が進行中というイメージを全世界に広める役目を果たした。
このマン教授のグラフの信頼性が今年8月に大きく揺らいだのだ。