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トヨタ自動車は9日、来年の東京五輪・パラリンピックで選手村内の循環バスとして提供する自動運転車「e-Palette(イーパレット)」の実車を公表した。高精度立体地図とセンサー情報などを連動させた無人自動運転で、最高時速19キロの低速ながら選手や大会関係者らを運ぶ。今月24日開幕の東京モーターショーで一般展示される。
昨年発表された低床バス形状のイーパレットは五輪・パラリンピックが初運行の舞台となる。限定区域内での完全自動運転にあたる「自動運転レベル4」相当の車両で、運転席がない。
広々とした車内で最大20人が乗車可能。車いすなどでも乗降しやすいよう、ドア幅が1・3メートルと電車のように広いうえ、バス停停車時には隙間ができるだけ出ないように制御し、スロープも自動で稼働する。車いす乗車時は4台乗った上でさらに立ち乗りが7人乗れる。高さも、身長2メートルの人も楽に乗降できるほどだという。異常時には緊急停止ボタンでも停車できる。
「発車します」と自動アナウンスが流れ、人が横断しようとすると自動で減速、停車。歩行者には丸型のフロントランプが笑顔のマークを作って「お先にどうぞ」と譲るような表情を見せる。
トヨタは五輪とパラリンピックのモビリティー(移動)分野での「ワールドワイドパートナー」で、車両関係を独占提供している。選手村内で十数台稼働する予定。