【ロンドン=板東和正】学校を休んで地球温暖化対策を訴えてきたスウェーデンの環境活動家、グレタ・トゥンベリさん(16)とロシアのプーチン大統領の応酬が話題になっている。
グレタさんは今月11日に発表されるノーベル平和賞の候補として、英メディアに紹介されている。
ロイター通信などによると、プーチン氏は2日にモスクワで開催されたエネルギーフォーラムに出席した際、「がっかりされるかもしれないが、グレタさんの発言に感動する人たちに共感はしない」と話した。「誰も彼女に世界の複雑さや多様性を教えなかったのだろう」と指摘し、「途上国に太陽光発電を強要するとコストの問題はどうなるのか」などと訴えた。その上で、グレタさんを「優しくて誠実な女の子だが、情報に乏しい」と批判した。
それに対し、グレタさんはすぐさま反応。自身のツイッターのプロフィルに「優しいが情報に乏しいティーンエージャー」と表記し、プーチン氏の発言を揶揄(やゆ)した。欧米メディアは、グレタさんの行動について「プーチン氏にやり返した」「まねをしてからかった」などと報じている。グレタさんは2日、ツイッターで「(気候変動の影響は)現在の最善で、利用可能な科学によって証明されている」と持論を述べた。
グレタさんは9月23日、米ニューヨークの国連本部で開かれた各国の首脳らが集う「気候行動サミット」の開会式で演説した。温暖化対策に後ろ向きだとの批判もあるトランプ米大統領がサミットの会場に姿を見せた際、グレタさんがトランプ氏をにらむような表情を見せた姿を捉えた映像が話題になっていた。