朝晴れエッセー

一流の清掃人・10月4日

私は、現在マンション暮らし2年目である。というのも、もとの家が区画整理事業にかかっており、仮住まいの身なのである。初めてのマンション暮らしは、快適である。この際と思い、大きな家具は全て処分した。衣類、食器、本など、かなりの量を減らし、2LDKの部屋は、すっきりしている。6階のベランダからは、東京スカイツリーが、今日の空模様を教えてくれる。しかし、集合住宅での生活にも、気になることもあり、私のおせっかいおばさんぶりが顔を出す。共有スペースの汚れ、いい加減なゴミの出し方など。つい手を出しては、主人にこぼしたりしている。

ある日、派遣されたという清掃担当のSさんがやってきた。Sさんの仕事ぶりは、それはみごとである。玄関、廊下、エレベーター内のモップがけ。手すり、雨水用の溝も徹底して拭き掃除をする。さらに、ゴミ集積所のボックス内のゴミの整理と拭き掃除をする。まさに、「清掃とは、こうやるのだよ」というお手本である。「いつもありがとうございます」と声をかけると、「玄関のガラス扉が思うようにきれいにならない、どうしても曇ってしまうんですよ」とつぶやいた。素人目には、そう見えなかったが、Sさんは、満足できない様子である。Sさんが来るようになってから、マンション住人のゴミの出し方が良くなったように思う。Sさんは、自分の仕事に責任と誇りをもっているのだろう。Sさんは、天下一品、一流の清掃人である。そして、私は、今日も快適なマンション暮らしをしている。Sさん、ありがとう。

中川 住代 68 東京都足立区