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カナダ政府が昨年10月17日に嗜好(しこう)用大麻を解禁し、間もなく1年となる。国レベルで合法化したのは、南米の小国ウルグアイに次いで2例目で先進7カ国(G7)では初だ。米国でも解禁する州が増える中、「成功するかどうかの実験的ケース」(米メディア)と注目されるカナダでは何が起きているのか。「グリーンラッシュ」と呼ばれる大麻特需に沸く東部オンタリオ州の小さな町を訪れ、現状を追った。
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▼ポイント
(1)カナダ国内は大麻特需に沸き、国民も合法化を支持。年内には大麻成分入りの加工品も解禁予定
(2)トルドー政権が目指した闇市場の撲滅にはつながっていない。若者層の使用も増加
(3)大麻の生涯経験率は4割を超えるなど、高い使用率
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特需に沸くが闇市場撲滅遠く
カナダの首都オタワから列車で約1時間。運河が流れ、自然豊かな人口約9千人の同州スミスフォールズに、世界最大規模の大麻製造会社「キャノピー・グロース」の本社工場がある。工場では約1年前に大麻栽培の様子を見学できるツアーが始まり、1日100~150人が訪れる人気の観光スポットとなっている。トロント出身のツアーガイド、アンドリュー・トリオロさん(26)は「数年前はこんな小さな町で暮らすなんて考えられなかったけれど、大麻について学び、人々に伝える仕事につけて幸せだ」と話した。