「お身代わり」神像2体奉納 和歌山・九度山の槇尾山明神社

製作した「お身代わり」神像2体を手渡す和歌山工業高の生徒ら=和歌山県九度山町
製作した「お身代わり」神像2体を手渡す和歌山工業高の生徒ら=和歌山県九度山町

 和歌山県九度山町の槙尾山明(まきおさんみょう)神社に、盗難対策などのため和歌山工業高校(和歌山市)の生徒らが製作したレプリカの「お身代わり像」の神像2体が奉納された。

 お身代わり像は、歴史的価値の高い仏像や神像などを3Dプリンターで精巧に再現。本物は防犯設備が整った博物館で保存し、お身代わり像を元の場所に安置することで、盗難や火災の被害から守る。

 奉納されたのは平安時代後期作の「高野明神立像(こうやみょうじんりゅうぞう)」と「白鬚明神坐像(しらひげみょうじんざぞう)」のレプリカ2体。神社には常駐の管理者がおらず、地域住民らでつくる「明神会」が代々守ってきた。

 当初はレプリカの安置に反対の声もあったが、過去には境内の狛犬が盗まれたこともあり、お身代わり像の製作を依頼した。

 和歌山工業高の産業デザイン科で授業の一環として製作。生徒らが形状データの計測や3Dプリンターによる造形を手掛けた。和歌山大学(和歌山市)の学生らが着色し、完成した。

 奉納会場には地域住民らも駆けつけ、木目など細かい部分まで精巧に再現されたお身代わり像を興味深そうに眺めていた。

 明神会の今川年弘さん(76)は「本物そっくりで見分けがつかない。お身代わり像も大切に守っていきたい」と喜んだ。

 和歌山工業高3年の井上亜優(あゆ)さん(18)は「地元の人々に喜んでもらえてうれしい。未来の世代にも守り伝えていってほしい」と話していた。