自動車並みの速度が
トゥクトゥクは自動車並みの速度で走ることができるため、同社は三浦半島の広いエリアへの移動・観光を想定。レンタル時間次第では剱埼灯台(南東側)や城ケ島公園(南端)、長者ケ崎海岸(西側)など、著名な景勝地をひと通り味わえそうだ。
三浦市によると、三浦半島は数多くの魅力的な景勝地が点在する一方、各地点間の距離が長く、公共交通機関が少ないことが課題になっているという。路線バス網が脆弱(ぜいじゃく)▽終バス時刻が早い▽鉄道が京浜急行電鉄1社のみ-などの理由で回遊性の低さも指摘されている。
三浦観光バス常務の根岸辰也さん(33)は「少し走って観光し、また走ってという乗り方で、いろんな場所を楽しんでいただくことができる」と話したうえで、「トゥクトゥクが足となって各地を回っていただくことで、それぞれの地域が活性化するきっかけになればいい」と話している。
外国人客の利用も
三浦半島について、市が特に課題としているのが、三浦レンタカー本社がある東側エリアの観光だ。海水浴場などの集客スポットがあるが、近年、観光客の減少が目立ち始めているからだ。
市営業開発課の統計によると、三浦海岸エリアの観光客は年間200万人を超えた平成20~22年ごろに頭打ちの傾向がみられ、近年は160万~190万人程度で横ばいまたは減少傾向にある。市観光課や地元の民間企業は理由として、「夏季の三浦海岸の観光客数の減少が原因。若年層の海離れが進んでいる」などと分析。ビーチスポーツイベントなどの対策をとっているが、目に見える効果はまだでていない。
市は、トゥクトゥクのレンタルなど、民間企業の事業について、「東京五輪・パラリンピックの開催を控えており、観光客向けの取り組みの活性化によって、日本だけでなく海外からの観光客も増えればいい」と期待感を高めている。
【三浦半島】
神奈川県南東部の半島。太平洋に面し、東京湾と相模湾を隔てている。半島の大部分を横須賀市と三浦市が占める。そのほか横浜市や鎌倉市、逗子市、葉山町が含まれる。半島沿岸部には美しい海や断崖の風景がみられる景勝地が点在し、城ケ島、長者ケ崎、油壺湾など数多くの名所が「かながわの景勝50選」(昭和54年選定)に選ばれ、多くの観光客に親しまれている。