不法滞在外国人、ハンスト続出で入管苦慮…約4割は元刑事被告人(3/3ページ) - 産経ニュース

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不法滞在外国人、ハンスト続出で入管苦慮…約4割は元刑事被告人

 関係者によると、この681人のうち約4割は、強盗や窃盗といった刑法犯や覚せい剤取締法違反など入管法違反以外の罪で摘発されていた。

 元刑事被告人の長期収容者の国籍で最多はイラン。イランは本人が拒否すれば強制送還を受け入れない方針を示しているためだ。

 仮放免中に再び摘発されるケースもあり、入管庁としては「重大な罪により罰せられた者や再犯の恐れが払拭(ふっしょく)できない者の仮放免は許可できない」という立場だ。

 また、仮放免となっている外国人は昨年末時点で計2501人いるが、これとは別に仮放免後に所在不明となった人物が約300人おり、全体の約1割に上ることも新たに判明した。

 ■「確実に送還できる仕組みを」

 入管行政に詳しい弁護士は「犯罪防止は収容の主たる目的ではないが、治安上の観点もあるのは間違いない」と指摘。その上で「問題ない収容者を仮放免する柔軟さも必要だが、収容に期限を設けて確実に送還できる仕組みを作ることが最も重要だ」と話す。

 法務省の旧入国管理局で局長を務めた日大危機管理学部の高宅(たかや)茂教授(入管法)は「外国人労働者の受け入れ枠を拡大する半面で仮放免の運用を厳格化するのは政策的には当然のことだ」との見方を示す。入管庁関係者は「国費をかけて好き好んで長期間収容しているわけではない。ハンスト対応などで入管現場は疲弊しており、早急に対策が必要だ」と強調する。

 入管庁は今月、外部有識者会議に収容問題を検討する専門部会を設置。長期収容者の実態を踏まえて年度内に提言をまとめる。(市岡豊大)

 ■仮放免 不法滞在により施設に収容された外国人について、病気などの身体的理由を考慮し、身柄拘束を解く手続き。300万円以下の保証金の納付が必要なほか、住居や行動範囲の制限、呼び出しに対する出頭義務などの一定条件がつけられ、違反すれば保証金を没収された上で再収容される。刑事事件での「保釈」に相当し、入管当局に広範な裁量があることが判例で認められている。