相次ぐ地方百貨店閉鎖 大手も新たな客層開拓に活路

 伊勢丹府中店(東京都府中市)、伊勢丹相模原店(相模原市)、山交(やまこう)百貨店(甲府市)が30日にそろって閉店。地方経済の減速で老舗百貨店の閉店が相次ぐ中、東京や京都、神戸などに店舗を構える大手百貨店は生き残りをかけた体制整備を進める。店舗改装で若者に人気のテナントを入れるなど、魅力的な店舗作りで新たな客層を取り込もうと工夫を凝らす。

 セブン&アイ・ホールディングス傘下のそごう・西武は5日、「西武所沢店」を「西武所沢S.C.(ショッピングセンター)」として新装開店した。無印良品など専門店の売り場面積を段階的に増やし、令和2年3月までに売り場全体の約75%まで拡大する計画だ。

 同店はもともと食品購入など普段使いの顧客が多かった。この利点を生かし、改装でも普段使いのテナントを増やし、地元顧客が利用しやすい店舗を目指す。そごう・西武は同店を郊外店舗の新しいモデルと位置づける。

 小田急百貨店も専門店を組み合わせ、施設全体の魅力向上を図る。3月に改装を終えた小田急百貨店町田店は専門店の割合が4割。働く女性らが会社帰りに立ち寄れるなど顧客の来店頻度を高め、親子3世代での来店シーンも見込む。今年度の売り上げは平成29年度比で25%増を目指す。

 一方、三越伊勢丹ホールディングスは、店舗戦略の見直しで収益体質の強化を図る。伊勢丹府中店、伊勢丹相模原店に加え、来年3月には新潟三越を閉店。赤字店舗を閉じて、不動産事業などの成長分野に投資する。

 日本百貨店協会によると、19年から30年までの11年間で全国の百貨店数は278店から59店減少。総売上高も約7兆7千億円から約1兆8千億円も目減りした。東京、大阪などの主要10都市を除いた地区の減少幅が過半を占める。(出口賢太郎)

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