政治デスクノート

政権復帰のヒントは「現実的な安保」を掲げた旧希望の党の踏み絵にあり

多くの人の脳裏には、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の県外移設を掲げながら名護市辺野古移設に戻るなど、安保政策で迷走を極めた民主党政権の失敗劇が残っている。日米関係は悪化し、民主党政権が24年の衆院選で大敗した一因にもなった。

27年に成立した安全保障関連法をめぐる対応を通じても、今の野党の姿勢がわかる。集団的自衛権の限定的行使を認める内容だが、下野した民主党は「米国の戦争に参加することになる」などと猛反発した。

関連法は野党が批判するように、憲法9条との整合性で針の穴を通すような面もあっただろう。ただし、施行後は自衛隊と米軍との実務的な連携が深まり、東シナ海への海洋進出を強める中国などへの警戒態勢を敷くうえでも着実に成果を上げている。

何より、北朝鮮が弾道ミサイルを玩具のように続々と発射し、米国が日本の防衛義務を一方的に負うことを疑問視するトランプ米大統領の登場まで考えれば、関連法の成立は「ぎりぎり間に合った」(自民党の防衛相経験者)ともいえる。立民などは今も関連法の白紙化を訴えているが、厳しさを増す東アジアの安全保障環境にどう対処するか、具体的な代替案は示していない。

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