立憲民主党と国民民主党などが国会での統一会派結成に合意した。小沢一郎氏まで含めた旧民主党勢力の再結集のように映るが、世論に政権交代への期待感が広がる様子はない。なぜか-。過去の取材ノートをめくっていると、自民党幹部が一度だけ、野党を恐れて顔面蒼白になった瞬間を思い出した。平成29年衆院選で、小池百合子東京都知事率いる旧希望の党が「現実的な安全保障」を掲げたときだ。当時は仲間割れなどで自壊したが、ここに野党が政権に戻るためのヒントが隠れている。
生かされぬ旧民主党の失敗劇
「第一段階の非常に大きな山場を乗り越えた。さらに単一政党ができあがれば、2年以内の総選挙で(立民、国民などによる旧)民主党の政権になる」
小沢氏は今月23日の講演で、統一会派の動きをこう評価し、旧民主党勢力の復活に期待感を示した。
小沢氏は、次の衆院選に向け「受け皿を形の上だけでもいいから作る。それほど中身の質が高いものを国民は期待しているわけではない。政策を自分で考えて精査して投票する人はほとんどいない」とも語った。
果たしてそうだろうか。
確かに、公約を細かく精査して一票を投ずる有権者は少ないだろう。しかし、小沢氏のいうようなふわっとした雰囲気のまま、政権を今の野党に託す有権者も少ないはずだ。