盗難から仏像守れ 3Dプリンターの身代わり像に脚光

 製作では仏像の形状を3Dスキャナーで計測し、計測しきれなかった細かな凹凸や傷などは目視で確認してデータに加える。そして3Dプリンターで造形し、塗装を施して仕上げる。

 和歌山工業高では、毎週金曜にお身代わりを製作する授業を実施。生徒たちが自ら計測からデータ入力、3Dプリンターによる造形まで手掛ける。産業デザインを学ぶ生徒たちの勉強にもなる上、専門業者に依頼すると1体数百万円の費用がかかる製作費を、授業では材料代のみに抑えられるメリットもある。造形した仏像は和歌山大の学生有志がボランティアで塗装している。

 今年8月末時点で県内13カ所の寺社に26体のお身代わり仏像を奉納。9月には「国際博物館会議」(ICOM、アイコム)が京都で開かれたのに合わせ、世界の博物館関係者が県立博物館を視察。高校生らによる3Dスキャナーでの計測も実演され、多くの関係者が取り組みを高く評価したという。

 お身代わり仏像の取り組みにも関わっている大河内さんは「当初は寺社にレプリカを置くことに難色を示す人もいたが、地域の未来を担う若者が真剣に取り組んでいることを知ると、皆さん喜んでくれている」と取り組みに手応えを示す。

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