盗難から仏像守れ 3Dプリンターの身代わり像に脚光

依然相次ぐ仏像盗

 華蔵寺の釈迦如来坐像は無事に戻ったが、他に盗まれた仏像などはまだ見つかっておらず、県警が捜査を続けている。

 県内ではここ数年、仏像の盗難被害が後を絶たない。県警によると、平成28年に15体だった盗難仏像の数は29年に53体、30年には40体に。今年も県南部で相次いで被害が確認されている。

 普段人が立ち入らない無人の寺社が狙われており、華蔵寺の仏像は昨年末から今年3月の間に盗まれていた。檀家(だんか)総代の石谷強さん(56)は「まさかこんな山あいの小さな寺が狙われるとは…。自分たちの防犯意識も甘かった」と話す。

 しかし住民の少ない地域で住職や檀家らが寺社を見張り続けるのは難しい。同県立博物館(和歌山市)の大河内智之主任学芸員は「仏像の窃盗は地域の歴史を奪い去るひどい犯行。地域に合わせた盗難防止の取り組みが必要だ」と話す。

最新技術を駆使

 そんな中、盗難対策として注目されているのが、3Dプリンターで作ったお身代わり仏像の安置だ。

 この取り組みは、仏像を盗難や火災から守ろうと県立博物館や県立和歌山工業高校、和歌山大学が協力して平成24年から続けており、本物の仏像は県立博物館で保管し、寺社にはお身代わりを奉納する。たとえレプリカが盗まれても、本物は保管されているため被害を免れるというわけだ。

 レプリカはプラスチック製だが、精巧なつくりは本物と変わらず、素人目では判別がつきにくい。3Dプリンターによる実際の製作は和歌山工業高の生徒らが行っている。

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