厚労省、424公立・公的病院に再編要請へ(病院名一覧つき)

 厚生労働省は26日、全国の公立病院や日赤などの公的病院のうち、診療実績が乏しいなどと判断した424病院に統廃合を含めた再編の検討を求めることを決め、病院名を公表した。過剰とされる病床数の削減を踏まえた議論を促すことを狙った異例の措置で、病院名の公表は初めて。強制力はないが、対象病院に来年9月までに具体的結論を示すように要請する。

 公立・公的病院の再編は、都道府県ごとにまとめた「地域医療構想」の一環。厚労省は全国1652の公立・公的病院のうち1455病院について、がんや救急医療など9項目の診療実績を分析。手術件数などが一定水準未満の病院のほか、車で20分圏内に同程度の実績の病院が複数ある場合も要請対象とした。

 再編のあり方は、統廃合に限定せず、病床数の削減、診療科や病院機能の集約化など地域の実情に見合った形となるように区域ごとの議論に委ねる。

 対象病院は全体の29・1%に当たり、都道府県別では新潟(53・7%)、北海道(48・6%)、宮城(47・5%)、山口(46・7%)、岡山(43・3%)の順で高かった。沖縄だけは対象病院がなかった。

 リストは、厚労省のウェブサイト( https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/000551037.pdf )に掲載されている。

 ▼厚労省のウェブサイト掲載のリスト(PDF書類) https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/000551037.pdf

 一方、厚労省の分析から外れた197病院には診療実績の報告がないなどの不備があったとして、改めて再編の検討を要請する。

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【用語解説】地域医療構想

 団塊世代全員が75歳以上になり、医療・介護費の急増が想定される令和7(2025)年を見据え、各都道府県が平成28年度末までに策定した地域医療の将来像。効率的な医療提供体制を築くため、全国を339の「構想区域」に分け、必要な病床(ベッド)数などを推計。機能に応じ、集中治療が必要な重症患者向けの「高度急性期」▽一般的な手術をする「急性期」▽リハビリ向けの「回復期」▽長期入院の「慢性期」-に区分し、過剰になるベッドは他の機能への転換や在宅医療への移行を進める。

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