ビジネス解読

ヒカキンさんらユーチューバー支援で急成長 「広告代理店」UUUMとは

 勢いづくウームの中核ビジネスはクリエイターとユーチューブや個別の広告主との橋渡し役。ウームの梅景匡之取締役COOは「広告代理店に近い」と話す。

 ウームと契約するクリエイターたちは、エンターテインメント色の強い動画から、ファミリー向けの動画、自分の趣味の領域の動画までさまざまな動画を投稿。ウームはそうした多様なメディアを「(広告主に)販売する意味合いが強い」(梅景氏)という。

 ユーチューブとの関係では、ウームはクリエイターの動画に組み込まれた広告による収入(アドセンス収入)をユーチューブから一括して受け取り、一部をクリエイターに渡す。309人(5月末時点)の専属クリエイターの場合、ウームの取り分は2割だ。

 また、個別企業とクリエイターとの間に立ち、動画でゲームやおもちゃなどを紹介するタイアップ広告を展開するケースもある。タイアップ動画の再生回数は2000万回に達することもあり、影響力は絶大だ。

 成長の背景にはインターネット広告市場の拡大もある。電通によると、昨年のインターネット広告費は前年比16・5%増の約1兆7600億円で、5年連続の2ケタ成長。地上派テレビ広告費(約1兆7800億円)に迫っている。

死角は依存度の高さ

 ただし、ウームにも死角はある。最大のリスクはユーチューブへの依存度の高さだ。元年5月期の売上高の約60%はユーチューブからのアドセンス収入。タイアップ広告による収入(約25%)を大きく上回る。エース経済研究所の沢田遼太郎アナリストは「ユーチューブがアドセンス契約を結ぶチャンネルの基準を上げたり、広告料の単価を下げたりすれば、業績に悪影響が出る」と分析する。

 実際、ユーチューブは昨年、アドセンス契約の対象となるチャンネルの基準を「過去12カ月の再生時間が4000時間以上、かつ登録者数1000人以上」に厳格化。契約済みのチャンネルも基準未満ならば広告収入が途絶えるほか、新規契約も難しくなる決定だった。

 ユーチューブは変更の理由を「悪質な投稿者」がアドセンス収入を得ることを防ぐためだと説明。一方、影響を受ける投稿者の99%は年間100ドル未満の収入しか得ていないとし、やむをえない決断だとした。ただ、一方的な基準変更は投稿者の側には大きなリスクであることも確かだ。

 ウームの梅景氏はこうしたリスクに関し、「ユーチューブだけにこだわるわけではない」と説明。インスタグラムなどユーチューブ以外との事業も少しずつ行われているとし、「今後大きくなる」としている。

(経済本部 小雲規生)