人気ユーチューバーら多数のクリエイターを支援するビジネスを展開する創業7年目の新興企業「UUUM(ウーム)」が急成長している。ウームのビジネスモデルはクリエイターをメディアに見立てた「広告代理店」。令和元年5月期の売上高は前期比1・7倍で、ウーム専属の著名クリエイターたちはテレビ番組やCMにも進出して存在感を発揮している。ただ、売上高の6割がユーチューブから受け取る広告収入という「一本足」の側面もあり、巨大プラットフォーマーへの依存度の高さというリスクも抱えている。
「テレビ番組でも一眼カメラで撮った映像が使われています。ビデオカメラとは違う映像のクセがあるので分かるんです」
8月下旬の東京・六本木の森タワー34階。ウームが開いた一眼カメラによる動画撮影講座で講師がこんな裏話を披露すると、受講者から驚きの声があがった。受講者はウームの専属クリエイターたち。2時間の講座では撮影モードの使い分けや歩きながらの動画撮影のコツといったノウハウがどんどん飛び出した。
月に1度以上開かれる講座のテーマはボイストレーニングやダンス、英会話など多岐にわたり、数十人が参加することもある。ヘアカットやアレンジなどの動画を投稿する、美容師クリエイター、おのだまーしーさんは「今まではオートモードでの撮影だけ。より質の高い動画を撮りたいと思っている。講座の内容は知らないことも多くて勉強になった」と話す。
メインは「橋渡し役」
クリエイターが投稿する動画の人気はウームの急成長の原動力だ。元年5月期の売上高は197億円で前年同期比68・1%増。最終利益も倍増した。HIKAKIN(ヒカキン)さんや、はじめしゃちょーさんら著名専属クリエイターはテレビ番組やCMにも活躍の場を広げている。