香港、沈静化ほど遠い抗議活動 国慶節でも大規模デモ計画 「米法案」に期待の声も

 【香港=森浩】中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案を発端とした抗議活動が続く香港では、デモ開始から100日以上が経過しても沈静化とはほど遠い状況だ。デモ隊は国慶節を「全民黒衣日」として大規模デモを計画し、市民全体が抗議活動の象徴である黒い服を着てデモに参加することを呼びかけている。ただ、デモ隊側も一枚岩ではなく、参加者の要求には微妙な差があり、抗議活動の落とし所がないという認識も広まりつつある。

 「われわれはずっと声を上げ続ける必要がある」

 香港北部・沙田区のショッピングモールで22日に実施されたデモには数千人が参加。その中の1人、会社員のチョウさん(21)は抗議の意義を語り、「香港を取り戻せ」とシュプレヒコールを挙げた。

 警察の発表によると、初めての大規模デモが起きた6月から今月20日までに1474人が逮捕され、うち207人が起訴された。警察が発射した催涙弾は3100発に及ぶ。

 デモ隊側は(1)逃亡犯条例改正案の撤回(2)デモの「暴動」認定の取り消し(3)警察の暴力に関する独立調査委員会の設置(4)拘束したデモ参加者の釈放(5)林鄭月娥(りんていげつが)行政長官の辞任-の「5大要求」を掲げ、香港政府はうち1項目を受け入れたものの、他の項目にはほぼ応じていない。ただ、要求内容は団体により微妙な差があり、最近では5項目が「普通選挙の実現」に変わりつつある。

 林鄭氏は26日に市民の代表との対話を実施する予定だが、市民の納得は得られそうにない。そもそも指導者不在が特徴である今回のデモは、「香港政府にとって交渉相手がいないことを意味する」(香港政治研究者)。政府としても対応に苦慮しているのが現状だ。

 打開策が見えない中、デモ隊側では、米議会の超党派議員が提出した中国の習近平体制に圧力をかける「香港人権・民主法案」が可決され、外圧が強まることを期待する声もある。

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