「ながらスマホ運転」厳罰化を 妻失った夫の願い 事故1年を機に被害者の会設立

 自動車にはカーナビなど前方を注視しないことを前提とするツールがあることから、「スマホだけをとりわけて危険運転致死傷罪に当たると言い切れるかどうか」と議論のポイントを提示する。

 その上で、再発防止には「スマホを見ながら運転することがいかに危険かを周知することも重要だ」ともした。

罰則強化

 警察庁によると、携帯電話などの画面を注視したり操作したりする「画像目的使用」の交通事故は昨年、966件発生。スマホ普及当初の平成20年に比べ3倍以上になっている。

 今年12月には、改正道交法が施行され、ながらスマホ運転の罰則が強化される。罰則は、これまで「3月以下の懲役または5万円以下の罰金」だったが、「1年以下の懲役または30万円以下の罰金」となる。同法施行令も改正され、違反点数が引き上げられる。さらに、反則金を納めれば刑事責任を免れる交通反則通告制度の適用から除外され、直ちに刑事手続きの対象となる。

法改正働きかけ

 「つらかったね。苦しかったね。痛かったね。かわいそうだね」

 百合子さんの命日となる9月10日、事故現場で献花し、心の中で亡き妻に語りかけた貴之さんは、「ながらスマホ運転被害者遺族の会」を立ち上げた。

 すでに16人が加入しているが、今後、さらに参加者を募り、ながらスマホ運転を危険運転致死傷罪の対象とする法改正を国会に働きかける活動などを展開する意向だ。