大相撲秋場所12日目は19日、両国国技館で行われ、関脇貴景勝が平幕妙義龍を突き落として10勝目を挙げ、規定により1場所での大関復帰を決めた。平幕明生が敗れたため、2敗で単独トップに立った。
わずか1秒2で決着を付けた。土俵から下りた貴景勝はふーっと大きく息を吐いた。挫折からはい上がっての大関返り咲き。「場所前からの目標だった。とりあえずクリアした」。引き揚げた支度部屋で闘争心の残る顔のまま言葉をつないだ。
立ち合いで勝負があった。頭からぶつかった貴景勝の馬力に、妙義龍の体は起き上がった。間髪入れずに、貴景勝は体を左に開く。左腕でおっつけるように突き落とし、相手を土俵にはわせた。
突き押しの技術は一級品。それだけでここにいるわけでない。この人の最大の強みは精神力だ。