ソニー吉田社長「技術力」アピール 分社化要求の半導体は「コア事業」と強調

研究開発イベントで挨拶するソニーの吉田憲一郎社長=18日、東京都品川区(八倉陽平撮影)
研究開発イベントで挨拶するソニーの吉田憲一郎社長=18日、東京都品川区(八倉陽平撮影)

 ソニーは18日、研究開発(R&D)イベント「テクノロジーデイ」を開き、映像や音響、人工知能(AI)ロボットなどの最新技術を報道陣らに公開した。近年好調なゲームや音楽、金融といった事業に注目が集まりがちな同社だが、イベントに出席した吉田憲一郎社長は「人に近付く技術を通して広く社会に貢献していきたい」と述べ、創業以来、エレクトロニクスで培ってきた高い技術力を改めてアピールした。

 吉田氏は、17日に米大手ファンドのサード・ポイントから求められていた半導体事業の分社化に対し、社内で検討した結果、要求を拒否すると文書で発表。イベントでは、この件について直接言及はしなかったものの、半導体を活用したイメージングやセンシング部門は「当社の事業のコアと位置付けている」と強調した。

 同席した勝本徹専務は、激化する海外勢との競争に関し「人材の獲得は確かに激しいが、注力している領域では競争力を持って人材を確保できている」と説明。その上で「経営の方向性に合わせた技術開発が重要だ」と述べた。

 同社は、10月15日から幕張メッセ(千葉市)で開かれる国内最大級のIT・家電の見本市「CEATEC(シーテック)ジャパン」に6年ぶりに出展する予定。独自の技術力をアピールする狙いで、勝本氏は「ソニーが手がける医療事業の全体像とテクノロジーについて説明する場としたい」と語った。

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