学ナビ

羅針盤 リーダーシップ発揮し変革担う女性育成

(三尾郁恵撮影)
(三尾郁恵撮影)

 □津田塾大学・高橋裕子学長

 津田塾大学は来年、創立120周年を迎える。女子教育の先駆者・津田梅子が同大の母体となる女子英学塾を開設して以来、多様な分野でのパイオニアを輩出してきた。「社会で力を発揮できる人材を育てる」という建学の精神を引き継ぎ、「変革を担う、女性であること」を未来への教育ビジョンのモットーとして掲げる。自らもリーダーとして大学教育を牽引(けんいん)する高橋裕子学長に、女子大学の果たす役割や人材育成について聞いた。(宮田奈津子)

 --女子大学を取り巻く現状とは

 「世界経済フォーラムが発表した男女格差を測るジェンダー・ギャップ指数2018では、日本は149カ国中110位と女性の参画が遅れている。津田塾は歴代学長11人のうち10人が女性。女性がリーダーになることが自然で、そういう学びの場でもある。リーダーシップを発揮できる教育を行うことが、大学の存在意義だろう」

 --津田塾の教育の柱は英語だ

 「私自身、高校生のときに読んだ英哲学者、バートランド・ラッセルの『幸福論』に感銘を受け、英文を読むことに関心を持った。米国留学を通じ、米国史や女性史を学び、大きな考えを得ることにつながった。ダイバーシティ(多様性)の大切さが指摘されるが、外国語を学ぶことで異なる世界の扉が開かれ、知見が広がるのだと思う」

 --学外学修や社会貢献活動に力を入れている

 「東京・千駄ケ谷キャンパスは、東京五輪・パラリンピックのメイン会場の新国立競技場に最も近い大学キャンパスで、教育研究活動として『梅五輪プロジェクト』に取り組んでいる。訪日外国人に日本文化の楽しみ方を発信しようと、JR千駄ケ谷駅や信濃町駅に英語地図を掲示したり、将棋会館と連携して英語版の将棋パンフレットを作ったりしている。英語力とデータ分析力を生かし、地方や地域の活性化を目指すプロジェクトが進行している。学生には社会との接点を考えながら学ぶ気概がある」

 --〈変革を担う、女性であること〉を掲げる

 「官房長官を務めた森山真弓さんをはじめ、卒業生の活躍が大学の宝。先輩方のように努力し、実力をつけ、行動力豊かに課題に向き合う。創立者の津田梅子のように、人々や社会に対し、より良い環境を提供するために何ができるのかを考える。視野の広さと力量を持った女性像をイメージしている」

 --次世代を担う学生へのメッセージを

 「厚生労働省でキャリアを積まれた総合政策学部の村木厚子客員教授は、『昇進の機会があったら勇気を出して階段を上がってください。経験したことのない景色が見えるから』とアドバイスしている。リーダーになると、個性豊かなトップに会うこともでき、自分を新たな角度から成長させることができる。日本社会の男女共同参画は、なかなか実現が難しい。困難な局面を打破するような女性を、ポツポツではなく、これからも集団で輩出できるような大学でありたい」

【プロフィル】高橋裕子

 たかはし・ゆうこ 昭和32年生まれ。津田塾大学学芸学部英文学科卒業。筑波大学大学院地域研究研究科修士課程などを経て、米カンザス大学大学院教育学研究科博士課程修了。桜美林大学助教授、津田塾大学教授などを歴任し、平成28年から現職。

入試関連ニュース

入試コラム