【ソウル=桜井紀雄】韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領の最側近、チョ・グク法相の家族が絡む不正投資疑惑で、ソウル中央地検は16日、横領や証拠隠滅教唆などの疑いで、チョ氏の親戚である30代の男を逮捕した。男はチョ一家が投資した私募ファンドの実質的な運営者とされ、地検は疑惑解明の鍵を握っているとみている。
チョ氏の家族をめぐる疑惑の浮上後、逮捕者は初めて。チョ氏の法相任命を強行した文氏への風当たりが一層強まる可能性もある。
地検は資金運用への関与を調べるため、大学教授であるチョ氏の妻に対する事情聴取も検討。妻は娘の進学に有利になるよう大学総長の表彰状を偽造したとして既に在宅起訴されている。
ソウル中央地裁が16日、地検が請求した男の逮捕状の発付の可否を審査し、逃走や証拠隠滅の恐れがあるとして発付を認めた。聯合ニュースによると、男は審査で容疑の一部を認めたという。
男は先月、疑惑が報じられた後に海外に逃れていたが、帰国した今月14日に地検が仁川(インチョン)国際空港で拘束した。街路灯関連機器の製造会社が同ファンドから投資を受けた後、公共工事を受注して売り上げを急増させており、大統領府高官だったチョ氏の影響力を悪用した疑惑も指摘されている。
男は海外滞在中に、製造会社代表と電話で口裏合わせをしようとした疑いも持たれている。