近ごろ都に流行るもの

「もったいない」×センス=オシャレ 廃棄物に命を

 これらを手がけた河島春佳さん(31)は、生花店や結婚式場、イベントなどで短期間に廃棄されてしまう花たちを「ロスフラワー」と名付け、新たな作品としてよみがえらせる「フラワーサイクリスト」として2年前から活動している。

 長野県の大自然のもとで生まれ、自然と花好きになった。東京家政大卒業後、さまざまな職を経て生花店で働いた際、廃棄される花の多さに衝撃を受け、ドライフラワーを作り始める。

 「ただ、お花を捨てたくないという気持ちだった。生花店がニーズに対応するために過剰に仕入れざるを得ない事情もわかるが、廃棄される花に手を加えて新しい価値を創り出したい」

 東京・青山の国連大学広場で開催されている「ファーマーズマーケット」などで作品を販売して共感を広げ、現在は大企業とも取引している。

 「SDGs(2015年国連サミットで採択された持続可能な開発目標)の浸透により、声をかけていただくことが増えてきました」と河島さん。ソーシャル&エコを扱う月刊誌「ソトコト」最新号で表紙を飾るなど、社会起業家としても注目の存在だ。

 虚飾や見栄にさようなら。令和時代のオシャレは、地球への思いなくして語れない。

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