浪速風

無電柱化を進めよう

電線の地下化を進めている東京都が、電柱のない風景をテーマにした俳句コンテストを行っている。昨年度の小中学生の部の入賞作品を見るとなかなか味がある。たとえば「電柱のないまちなみは大夕焼」(芳澤羽音さん)。読む側の気持ちも広々としてくる。

▶電線の地下化は、景観のためだけでなく防災の面でも不可欠である。台風15号に襲われて電柱が倒れるなどし、千葉県では大規模な停電が長引いた。炎天下で冷房も冷蔵庫も使えないとあっては、命にもかかわりかねない。昨年の台風21号でも関西で多数の電柱が折れて停電が発生した。気象災害が凶暴化する中、全国で電線の地中化を進めていくべきだろう。

▶「電信の棒隠れたる夏野かな」(正岡子規)。電信柱が風景と調和しているようで、生い茂る夏草の草いきれも伝わってくる。子規が活躍した明治は風情もあっただろう。だが自然が凶暴になった現代、事情は異なる。無電柱化を急ぐべきである。