トランプ氏、中国との暫定合意案検討も

米中対立が影響。写真は人民元とドルの紙幣(ロイター)
米中対立が影響。写真は人民元とドルの紙幣(ロイター)

 【ワシントン=塩原永久】トランプ米大統領は12日、中国との貿易協議をめぐり「暫定合意案」を検討する考えがあることを明らかにした。トランプ氏は記者団に対して、妥結しやすい事項から段階的に合意を結んでいく案が米中間で浮上していることを示唆し、「われわれが検討できるものだ」と述べた。

 米ブルームバーグ通信はこれに先立ち、中国が知的財産権保護や米農産品購入を約束することと引き換えに、米国は対中制裁関税を一部縮小したり、発動を延期したりする暫定合意案が議論されていると報じていた。

 暫定合意案は、米中両政府が今月中旬と来月上旬に予定する事務レベル交渉と閣僚級交渉に向けた準備協議の中で話し合われた。

 トランプ氏は「どちらかといえば全体合意をとりまとめたい」と強調しながらも、暫定合意案を検討する準備があると認めた。

 トランプ氏は11日、中国からの計2500億ドル(約27兆円)分の輸入品に対する制裁関税の引き上げを、10月1日から15日に先延ばしすると表明した。米政府は12月15日に、新たにおよそ1600億ドル分を対象とする追加関税を発動する予定だ。

会員限定記事会員サービス詳細