経済の不透明感が高まっている。これまで金融緩和に大きく依存して景気を維持してきた経済政策だが、成長力を真に高める改革のスピードが現状のままでいいのか、ますます問われることになりそうだ。例えば、女性の活躍を重視したのは良い。保育所の増加などの政策努力により、女性の雇用は増え、M字カーブ(女性が結婚・出産で離職し、子育て後に労働市場に戻るので、就業率がMの形になること)も解消されつつある。確かに非正規労働者として働く女性は増加した。
≪黙って「離脱」してしまう≫
ただし、2020年までに女性管理職を3割に、と掲げた目標は達成に程遠い。管理職比率は依然としてG7諸国中最下位であるだけでなく、世界経済フォーラム(WEF)のジェンダーギャップ(男女格差)の順位でも2018年に149カ国中110位と、2012年以降ずっと100以下が続いている。女性が男性と対等に能力を発揮し、経済にも貢献する社会に至る道筋は見えていない。